Virtual to Real

iDWC2010 ロードレースのシリーズチャンピオンが、シムレーシングの仮想世界を
とびだして現実のレーシングマシンへ搭乗するチャンスを与えられました。
そのときのもようがドキュメンタリービデオとしてリリースされたのでご紹介。
Greger Huttu : World Fastest Alien

iDWCとは、iRacing Drivers World Championshipの略で、
今年始めの時点でiRatingとSafety Ratingによるランキングのトップ50人に
与えられたiDWCライセンス保持者による、まさにトップiRacerだけで競われる
年間18戦のチャンピオンシップです。
18戦のうち、16戦分の有効ポイントでランキングを競うのですが、
この彼、15勝を記録しています!
iRatingも7000超えという異次元レベル。
まさにエイリアンと呼ぶにふさわしいお方であります♪
ビデオの中ではロードアトランタでSkip BarberとStar Mazdaを駆っています。
どちらもiRacingによって高い精度で再現され、また人気のある車種です。
ロードアトランタもiRacingでは1mm以下の精度で再現されています。
我々iRacerにとってお馴染みの組み合わせを、果たしてバーチャルと同様に
走らせることができるのか?
結果としては、頭の中で走行を組み立てることはできても、身体的に実際に
受ける物理現象からの影響には耐えられなかったということになるでしょうか。
走行中に身体が受ける大きなGフォースによって嘔吐する場面も。
われわれシムレーサーは、どんなに高精度なシミュレーターでF1マシンに
搭乗してもその強大なGフォースまでを体験することは残念ながらできません。
モーションシミュレーターという機器を使用することで、ある程度の疑似体験は
可能ですが、実際の登場で得られるものとは比べようもないはずです。
また、モーションシミュレータはまだまだ高価であり、多くのシムレーサーは
ステアリングのFFBからの情報を頼りにコントロールしているのが現状です。
シムレーサーの走行スタイルは、身体にかかる負担のない状況で、
FFBからクルマの状態を把握しながら限界点を探り、走行ラインをトレースする
という作業になるでしょうか。
やはり、実際のモータースポーツは、その名が示す通り、スポーツなのですね。
ただ、この彼がStar Mazdaで記録したラップタイムは、搭乗したマシンの
実際のレースでの予選タイムからわずか3秒落ちというものです。
他のチームまで比較対象に入れれば、彼よりも遅い予選タイムも存在します。
これは凄いことですよね?iRacingのシミュレーションが間違いなく
機能している証とも言えます。
もし彼が今後実走行を重ね、シェイプアップし、Gフォースに耐えられる身体を
得たならば、実際のレースでも競争力を発揮するのではないでしょうか?